ジアミンアレルギーが治るまでどうやってカラーをしたら良いのか?

「ヘアカラーをしたら、かぶれや腫れが出てしまった」
「髪を染めると、いつも頭皮がかゆくなってしまう…」
このような人は、ジアミンアレルギーの可能性があります。
このまま一般的なカラー剤を使用して髪染めをしていると、重いアレルギー症状が突然出てしまうこともあるので注意が必要!
また、すでにジアミンアレルギーだと医師から診断されている場合は、「どうやってカラーをすればいいのか…」と悩んでいる人も多いでしょう。
そこで、今回はジアミンアレルギーが治るまでどうやってカラーをしたら良いのか?
といったテーマでお話をしていきたいと思います。
そもそもジアミンアレルギーは治るのか?!
ジアミンアレルギーの症状や予防法をはじめ、ヘアカラーでかぶれたときの正しい治療法、ジアミンアレルギーでも使えるカラー剤についても解説しますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね!
ジアミンアレルギーとは
ジアミンアレルギーは、カラー剤に含まれている酸化染料の「ジアミン」と呼ばれる成分に反応して、赤み、かゆみ、皮膚のただれ、痛み、湿疹などのアレルギー症状が出るもの。
ジアミンには「パラフェニレンジアミン」「フェニレンジアミン」「メタフェニレンジアミン」など、さまざまな種類が存在します。
一般的なカラー剤のうち、なんと9割以上にはこの「ジアミン」が配合されているため、ヘアカラーをする際には避けて通れない問題のひとつ。
ちなみに、最近注目されているオーガニックカラーやハーブ系カラーにもジアミン染料が含まれているため、アレルギーを持っている方は注意しなければなりません。
オーガニックとかハーブと聞くと、なんとなく「お肌に優しい」「自然由来だから安心」といったイメージがあるかもしれませんが、油断は禁物です。
ジアミンアレルギーは予防できるの?
私たちの身体は、一定量のアレルゲンが体内に入ってくることによって「抗体」が作られるのですが、本来「害」がないモノに対しても過剰に反応してしまうことがあります。
これらの外敵を排除しようと戦い続けた結果、マイナスの反応が出てしまうのが「アレルギー」です。
ジアミンアレルギーを予防するために最も効果的なのは、「ジアミンとの接触を避ける」ということ。
極端に言ってしまえば、ヘアカラー自体をしないのが一番のジアミンアレルギー予防につながります。
小麦粉アレルギーを予防するには、小麦粉を避け続ければOK!
猫アレルギーを予防するためには、猫と接触しなければOK!
花粉症(スギ・ヒノキアレルギー)を予防するためには、花粉のない地域に行けばOK!
わかりやすく説明すると、これと同じことです。
とはいえ、ヘアカラーを一切しないなんて、なかなか難しいですよね。
その場合には、以下のような予防法が有効。
- カラー時には専用のオイルなどを用いて頭皮の保護を行う
- カラー剤のジアミン濃度をできるだけ下げて使用する
- 頭皮にはカラー剤をつけないように薬剤を塗る
これらの方法は、美容師さんにお願いすれば、しっかりと行ってくれるケースも多いです。
ただし、全ての美容院で「必ず対策してくれる」とは限りません。
あらかじめ、電話などで確認をしておくと安心でしょう。
また、ジアミンとの接触があれば「100%予防すること」は不可能だということも覚えておいてくださいね。
ジアミンアレルギーの症状って?
まずは、ジアミンアレルギーの症状をしっかりと知っておくことが大切です。
絶対に見逃してほしくない「ジアミンアレルギーの初期症状」から、重篤な全身症状まで解説していきたいと思います。
ジアミンアレルギーの初期症状
ジアミンアレルギーの初期症状として代表的なものは、以下の5つ。
- 頭皮や首、顔のかゆみ
- かぶれ
- 炎症により赤くなる
- 頭皮や生え際の痛み
- めまいや頭痛
ただし、これらの症状が全ての人に出るわけではありません。ちょっとした「かぶれ」だけだったり、「なんとなく赤くなっているな」と感じる程度の場合も。
また、ジアミンアレルギーはヘアカラーの放置時間中や直後ではなく、数時間後から翌日にかけて発症することが多いのも特徴です。
ヘアカラーをするたびに、なんらかの異変を感じている方は「パッチテスト」を行うことをオススメします。
パッチテストの方法については、こちらの記事で詳しく紹介しているのでご覧ください。
⇒ ヘアカラーをする方注意!!顔の肌荒れの原因と対策について
ジアミンアレルギーで全身症状が出ることも!
ジアミンアレルギーでは、頭皮や髪の生え際以外にも「全身症状」が出ることがあります。
初期症状や軽い症状を見逃して、ジアミンの含まれたカラー剤を繰り返し使用しているうちに、重篤なアレルギー反応である「アナフィラキシー」を突然起こしてしまうケースも報告されているため注意が必要です。
アナフィラキシーを起こすと、顔や頭皮をはじめとした全身の腫れや赤み、全身蕁麻疹が一気に広がります。
また、気道が腫れてふさがれることによる「呼吸困難」も恐ろしい症状のひとつ。
繰り返しになりますが、ヘアカラーをして少しでも「おかしいな」と感じることがあれば、必ずパッチテストで確認をするか、病院で適切な診察を受けるようにしてください。
「自分だけは大丈夫」なんて思っていると、本当にヒドイ目に遭います…。
ジアミンアレルギーといえば、2017年に中居正広さんのニュースが世間を騒がせたのを覚えているでしょうか。
中居くんは、もともとジアミンアレルギーがあったため、一般的なカラー剤は使用せずにヘアマニキュアなどで髪色を変えていたそう。
ところが、あるヘアメイクさんが「ジアミン入りのヘアカラー」を使ってしまったところ、中居くんの頭や顔がパンパンに腫れてしまったといいます。
その結果、救急外来に駆け込むことに…。
しかし、すぐには腫れが引かないのでメガネや帽子で隠しながら、なんとか収録をしたようですね。
さすが芸能人!プロ意識が高い!…けど、ジアミン怖い!
(あと、やっちゃったヘアメイクさんも相当ヤバいのではないかと…)
当然あなたも、他人事ではありません。
ヘアカラー中になにか異変を感じたら、必ず担当の美容師に伝えるようにしましょう。
「この程度なら別に言わなくてもいいかな…」と我慢してしまう方も結構多いのですが、これはNG。
頭皮や顔の腫れ、痛み、赤みなどの重いアレルギー症状が出てしまってからでは、美容院ではどうすることもできません。
美容院は「病院」ではないですからね…。
ヘアカラーでかぶれた!適切な治療法は?
では、実際にヘアカラーによって「かぶれ」や「アレルギー症状」が出てしまった場合には、どうすれば良いのでしょうか。
まだカラーの施術中であれば…
遠慮なく美容師へ異変を伝えて、すぐに洗い流してもらうようにしましょう。
軽い接触性皮膚炎なら、この後に症状が悪化してくることはありません。
ただし、ジアミンアレルギーだった場合は時間の経過とともに、赤み、腫れ、痛み、かゆみが増してくることが多いため注意してください。
また、美容院を出て自宅に帰ってから、かぶれや赤み、腫れ、かゆみなどの症状が現れることも少なくありません。
その場合には、「様子を見よう」と思っていると、どんどん悪化してしまう可能性も。
素人判断の様子見は厳禁です!
ジアミンアレルギーは、48時間後に一番症状が酷くなる傾向があります。(顔がパンパンに腫れあがったりして、仕事どころじゃなくなるかもしれません…。)
できるだけ早く、病院で診察を受けるようにしてください。
重い症状であればステロイド注射(点滴)で炎症を抑えることもありますが、ステロイドの飲み薬、かゆみ止めの飲み薬、塗り薬などを処方されるのが一般的です。
症状のレベルにもよりますが、およそ7日間程度で症状が落ち着いてくるでしょう。
ジアミンアレルギーでも使えるカラー剤について
実際にジアミンアレルギーを発症してしまった人は、二度と「ジアミン」の含まれた薬剤を使用してヘアカラーすることができなくなります。
一度ジアミンアレルギーを発症してしまうと、現在の医療では完治させることができないのです。
(これは、他のアレルギーにも同じことが言えます。)
しかし…
「髪色のオシャレを我慢するなんて考えられない!」
「ヘアカラーできないなんて…、ずっと黒髪とか絶対ムリ」
「カラーせず、白髪だらけの頭でいるのはイヤだ」
このように感じる方がほとんどだと思います。
でも、大丈夫。
ジアミンアレルギーがあるからといって、ヘアカラー全部ができなくなるわけではありません。
アレルギーがある場合には、「ノンジアミンカラー」を使って髪染めをしていきます。
ノンジアミンカラーの種類は、大きくわけて5つ。
- ヘナカラー
- ヘアマニキュア
- 脱色剤
- 塩基性カラー
- 酸化染料
では、それぞれの特徴をわかりやすくご紹介しましょう。
【ノンジアミンカラー1】ヘナカラー
ヘナカラーは、植物由来のカラー剤です。
科学的な成分を一切含んでいないため、当然「ジアミン」も排除されています。
アレルギーがある方はもちろんのこと、ヘアカラーの薬剤に対して「接触性皮膚炎」を起こしやすい方や、敏感肌の人にもオススメのカラー剤といえるでしょう。
【ノンジアミンカラー2】ヘアマニキュア
髪の表面をコーティングすることで、髪色を変化させるカラー剤です。
皮膚についてしまうと、色がとれなくなってしまうので根元から染めることができませんが、ジアミンアレルギーでも安心して使えます。
また、薬剤が髪の内部に浸透することがないため、髪にほとんどダメージを与えないのも嬉しいポイント。
ただし、色持ちが悪いことや、髪を明るく(脱色)する効果が得られないのは、ヘアマニキュアのデメリットかもしれません。
【ノンジアミンカラー3】脱色剤
「とにかく髪を明るくしたい!」と思っている方にオススメなのが、ノンジアミンの脱色剤。
ヘアマニキュアやヘナなど、他のカラー剤とあわせて使用することで、髪色の調整ができます。
単品使用より、組み合わせて使うことが多いノンジアミンカラーのひとつです。
【ノンジアミンカラー4】塩基性カラー
塩基性カラーと聞くと、なんのことだか良くわからない人も多いかもしれませんが、いわゆる「カラートリートメント」のことです。
しかし、市販のカラートリートメントを使用したことがある方は、「あまり染まらない」といったイメージを持っているはず。
美容院の塩基性カラー(カラートリートメント)は、薬剤がしっかりと調整されているため髪に色が入りやすくなっているので安心してくださいね。
【ノンジアミンカラー5】酸化染料
ノンジアミンカラーの酸化染料は、一般的なカラー薬剤と成分はほとんど同じです。
唯一異なるのが、「ジアミンが配合されていない」ということ。
髪の染まり方に関しては、普通のカラー剤と比較しても劣りません。
ところが、重度のジアミンアレルギーを持っている方に使うと、稀に症状が出てしまうケースが報告されています。
そのため、アレルギー症状軽度の方にオススメできるカラー剤といえるでしょう。
まとめ
今回は、「ジアミンアレルギーが治るまでどうやってカラーをしたらいいのか?」といったテーマでお話をしてきました。
繰り返しになりますが、一旦ジアミンアレルギーを発症してしまうと、完治させることはできません。
そのため、ジアミンアレルギーがある人の場合には、ヘナやヘアマニキュア、塩基性カラーなどの「ノンジアミンカラー」を使って髪染めを行う必要があります。
ジアミンアレルギーになったからといって、完全にヘアカラーができなくなるわけではないので安心してくださいね。
信頼できる美容師さんと相談しながら、あなたに合ったカラー方法でさまざまな髪色を楽しんでいきましょう。
それでは今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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