湯シャンの効果は嘘?フケや髪がパサパサになる原因解説。

湯シャンをしている人は、さまざまな頭皮や髪の悩みを持っていることでしょう。
恐らく、以下のような理由で湯シャンを始めた人が多いはず。
「シャンプーをすると、やたら頭がかゆくなる」
「頭皮が乾燥して大量のフケが出るのを治したい」
「シャンプーに含まれている化学物質が良くないと聞いたから」など。
しかし、湯シャンを継続しているうちに、フケが酷くなったり、髪の毛がパサパサになってしまい困っていませんか?
本来、湯シャンで改善されるといわれている症状が悪化するのは、どうしてなのでしょうか。
もしかして、湯シャンの効果は嘘なのか…。
今回は、美容師である僕が湯シャンを約半年間続けてきた実体験をもとに「嘘なの?」と疑問を持っている方に向けて「湯シャン」の真実について解説していきます。
湯シャンによるトラブルで悩んでいる人は、ぜひチェックしてみてくださいね!
そもそも湯シャンの効果とは?
湯シャンとは、字の通り「お湯でシャンプー」をすること。
シャンプーとはいっても、実際にシャンプーなどの洗浄剤は一切使用せず、お湯だけで髪の毛を洗うことをいいます。
最近ネットでもよく目にする「洗顔料を使わない洗顔」「水洗顔」などの、頭バージョン(肌断食の頭バージョン)だと思ってもらえればOKです。
実際、湯シャンの効果として広く知られているのは…
- 頭皮の乾燥が改善される
- 頭のかゆみが緩和される
- 頭皮の肌質・髪質が改善される
- 髪に自然なツヤが戻る
などが代表的です。
これらの効果が実感できるのは、本来髪や頭皮にあるべき「皮脂と水分のバランス」が整うことが大きな理由。
洗浄力の強いシャンプーでゴシゴシ洗っていた人は、頭皮のバリア機能が低下したせいで「かゆみ」「フケ」「乾燥」といった症状が出ていることも少なくありません。
その他、湯シャンをすると「時短になる!」「シャンプー代の節約になる」「とにかく楽」といったメリットを感じる人もいるでしょう。そして安価で粗悪な成分配合のシャンプーを使用しているなら、湯シャンの方が良いと感じるはずです。
湯シャンしたらフケが止まらない!効果があるって嘘なの?
ところが、実際に湯シャンを始めてみたら「フケが増えた」「フケが止まらない」「髪の毛がパサパサになった」なんて声もたくさん耳にします。
この記事を読んでいるあなたも、そんなお悩みの真っ最中かもしれませんね。
頭皮が健康になると思って、せっせと湯シャンを続けていたのに…逆にフケが増えてしまう!しかも大量のフケが止まらないなんて、正直ツライですよね。
毎日憂うつな気分になってしまうでしょう。
湯シャンの効果を信じてチャレンジしてみた人にとっては、「なんでフケが酷くなるの?嘘だったのか」「もう、どうしたらいいかわからない…」「このまま湯シャンを続けても大丈夫なのかな」と不安になっているはず。
でも、もう大丈夫!
次の項では「湯シャンでフケが出る原因」「髪がパサパサになる原因」を詳しくお伝えしたいと思います。
湯シャンでフケ・髪がパサパサになる2つの原因
湯シャンでフケが増える、髪がパサパサになる原因は、大きくわけて2つ。
洗浄格差による頭皮トラブル。そして、カラーやパーマを行った髪に湯シャンはNGということ。
「ん?どういうこと?」と感じた方も多いと思うので、ひとつずつ解説していきますね。
【原因1】洗浄格差による頭皮トラブル
湯シャンを始める前の私たちは、長い間「当たり前のように」シャンプーを使用して、毎日の洗髪を行っていたはず。
一般的に市販されているシャンプーは、強い脱脂力・洗浄力を持った「高級アルコール硫酸塩型」や「石鹸」がほとんど。
毎日のように皮脂が取り除かれていくため、頭皮は「もっと皮脂をたくさん分泌しなくちゃ!」と学習するのです。皮脂は本来、私たちの肌や頭皮を守る働きがあり、皮膚の健康を保つためには「なくてはならない存在」ですからね…。
ところが、急に湯シャンを開始すると、頭皮には大量の皮脂が残留することになります。
長い月日をかけて学習した「皮脂分泌量」は、そんな急には変わることができないのです。
これを「洗浄格差」と呼びます。
もともと、お肌や頭皮などの皮膚には「常在菌」と呼ばれる菌が多数存在。
皮脂バランスが正常なときには、この常在菌が皮脂を分解して「脂肪酸」などの物質を作り出し、肌表面を弱酸性にキープすることで、外部刺激や雑菌からお肌を守る働きをしてくれています。
しかし、長年の学習で「皮脂分泌量」が過剰になっている状態でいきなり湯シャンをスタートすると、大量の皮脂が常在菌のエサとなり、調子に乗った常在菌がどんどん増加!
過剰増殖した常在菌は、さらに大量の脂肪酸を作り出します。
この脂肪酸が、頭皮の刺激となって脂漏性皮膚炎や接触性皮膚炎、敏感肌、かゆみ、フケを悪化させていくのです。
【原因2】カラーやパーマで傷んだ髪表面がむき出しになる
湯シャンの効果には、「髪に自然なツヤが蘇る」というものがありますが、これは今までカラーやパーマなどの施術を受けたことがない人限定の話なんです。
ヘアカラーやパーマの経験がある場合には、湯シャンをすることで髪がパサパサに乾燥してしまうことがほとんどでしょう。
これは、シャンプーの役割が「髪や頭皮の汚れや皮脂を落とす」ということだけではないから。
カラーやパーマをする際には、髪の内部に薬液を浸透させて色や形を変化させます。
シャンプーをすることによって、髪に残留したカラーやパーマの薬液を少しずつ洗い流す役割もあるのです。
湯シャンだけで済ませてしまうと、髪の毛の内部に「薬液」が残り続け、髪をジワジワと傷ませる原因になります。
さらに恐ろしいことがもうひとつ!
湯シャンだけで済ませている人は、トリートメントなどで髪表面にコーティングを行わないため、傷んだ髪の毛がむき出し状態に…。
髪内部は薬液でダメージが進み、表面からは髪の水分やうるおいがどんどん逃げてしまう「悪循環」を招いてしまうのです。
これだけ科学的な進歩を遂げていてるなか、カラーやパーマをしている方が湯シャンをしてしまうとあっという間にゴワゴワでバサバサの髪の毛になってしまいます。
湯シャンの効果を感じられるのはどんな人?
ここまで、湯シャンのデメリットばかりを解説してきました。しかし、実際に「湯シャン」を継続することで、頭皮の乾燥・かゆみ、髪のパサつき・ベタつきが改善される人も存在します。
では、湯シャンの効果を実感できるのはどのような人なのでしょうか。
参考程度にまとめてみたので、チェックしてみてくださいね。
- 洗浄力・刺激の強い市販シャンプーで洗い続けていた人
- シャンプーによってゴシゴシと頭皮にダメージを与えていた敏感肌の人
- 洗いすぎによる頭皮の乾燥、皮脂と水分バランスが乱れていた人
- 髪や肌に合わない成分が含まれているシャンプーを使っていた人
これらの人は、湯シャンをすることによって一時的、または継続的に頭皮や髪の状態が良くなる傾向があります。
ただし、私たちの身体からは毎日のように皮脂や汗が分泌されているため、湯シャンを継続していると蓄積した皮脂の酸化が起こり、頭皮にダメージを与えてしまうことも少なくありません。
湯シャンは、自分の頭皮や髪の毛の状態をしっかり観察しながら、「継続するべきなのか」「中止するべきなのか」を見極める必要があるといえるでしょう。
頭のニオイは湯シャンを継続すればマシになるって本当?
ちなみに、湯シャンを続けていると、頭皮から「独特な匂い」が出てくることも少なくありません。
それもそのはず。
これまでは、シャンプーに配合されている香料によって、髪や頭皮のニオイを誤魔化していたのが現実です。湯シャンに切り替えると、自分の皮脂や汗、古い角質が混じったニオイがダイレクトに感じられるようになります。
湯シャンをしている人のなかには、「自分本来の体臭だから平気!」とか「湯シャンを継続していたら、あまりニオイが気にならなくなってきた」といった方もいます。
しかし、他人からしてみると「不快なニオイ」であることが多いので注意したいところ。
頭皮の臭いって自分ではわかりませんからね・・・。
自分のニオイに対しては、ほとんどの人が鈍感ですからね…。慣れもありますし。
特に、普通に会社勤めをしていたり学校に通っている人の場合には、特に注意が必要。
知らず知らずのうちに「あの人、頭くさいよね…」なんてコソコソ言われている可能性も否定できません。
これは、ちょっとショックですよね。だいぶ悲しくなります。
穴があったら入りたい…。というより、「シャンプーがあったら洗いたい!」なんて気分になるかもしれません。・・・と冗談はさておき、髪の毛って結構汚れがついてしまうからちゃんと良質なシャンプーで洗うべきだし、補修成分が配合されている製品を選べば絶対に美髪になるのは確かです!!
また、普段から脂質の多い食生活や外食・ファーストフードに偏りがちな人の場合、ドロっとした皮脂や汗になりがち。
すると、体臭(頭のニオイ)もキツくなってしまう傾向があるのも事実です。
このような人が湯シャンを行うと、頭皮に「過酸化脂質」による悪臭が残りやすいため注意しなくてはなりません。
ダメな食べ物ワースト5をぜひご参照くださいね。
湯シャンによる「シンプルケア」を長期間継続できるのは、以下の5つです。
- ニオイが気にならない人(ニオイがしても大丈夫な環境で暮らしている人)
- 髪や頭皮にベタつきがあっても気にならない人
- 野菜・肉・魚などの自然食材を中心とした食生活を送っている人
- 脂質の多いインスタント食品・外食・ジャンクフードを口にしない人
- カラーやパーマ、縮毛矯正をしていないショートヘアの人
恐らく、このような人たちに限定されてしまうでしょう。
さまざまな食べ物や悪環境のなかで生きている現代人は、完全湯シャンより「自分に合うシャンプー」で泡シャンすることをオススメします。
最近話題の、アミノ酸系シャンプーをはじめ、さまざまな「頭皮や髪に優しい成分」で作られた製品が次々に開発されているので、フケや髪のパサつきが悪化しているにも関わらず、無理に湯シャンを続ける必要はありません。
要は、頭皮に刺激を与えないよう「理想的な状態」に保つことができれば良いのです。
爪を立ててゴシゴシ洗わず、頭皮にシャンプー剤を付けないようにして髪だけを泡で包みこむようにして優しく洗浄するシャンプー法を実践しましょう。
正しいシャンプー法については、こちらの記事でも解説しているので、ぜひご覧ください。
⇒ シャンプー後なぜ頭がかゆいのか?原因と対策を解説
まとめ
今回は、「湯シャンの効果は嘘?」というテーマで、湯シャンによってフケが出たり、髪がパサパサに乾燥してしまう原因について解説してきました。
湯シャン自体を否定するわけではありませんが、私たちが現代の環境で生きていくなかで「頭皮」や「毛髪」を清潔に保つことは不可欠です。
ニオイによって他人へ不快感を与えることはもちろん、大量のフケやベタついた髪は不潔な印象を持たれてしまうでしょう。
頭皮トラブルを解消するために「一時的」な湯シャンを行うのは効果的な場合もありますが、フケや乾燥が悪化してきたときには湯シャンを中止することをオススメします。
その場合には、髪や頭皮に優しいシャンプーを使い、泡で優しく包み込むように洗浄してみてくださいね。
あなたの頭皮と髪の悩みが少しでも改善されますように!
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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